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Z世代マーケティング

若者はなぜ、アサイーボウルに1,500円払うのか

アサイーボウルは、決して「安い食べ物」ではありません。 それでも若者は、ランチと同じくらいの金額を一杯に払います。 その理由を考えると、今の若者の消費行動がかなり分かりやすく見えてきます。

若者はなぜ、アサイーボウルに1,500円払うのか

CATEGORY

Z世代マーケティング

DATE

2026.08

OVERVIEW

概要

アサイーボウルを食べに行くと、1杯1,200円から1,500円ほどするお店も珍しくありません。 トッピングを追加すれば、2,000円近くになることもあります。 冷静に考えると、結構高い。 同じ1,500円なら、ランチを食べられる。 コンビニなら何食分か買える。 それでも、若者はアサイーボウルにお金を払います。 なぜなのか。 自分たちは、単純に「味がおいしいから」だけではないと思っています。 【アサイーボウルを買っているようで、体験を買っている】 アサイーボウルの価値を、食べ物としてだけ考えると少し分かりづらくなります。 アサイー。 グラノーラ。 バナナ。 いちご。 はちみつ。 材料だけを見れば、1,500円という価格を高く感じる人もいると思います。 でも、若者が払っているのは材料費に対してだけではありません。 かわいい店に行く。 友達と写真を撮る。 きれいに盛り付けられたアサイーボウルを撮る。 Instagramのストーリーズに載せる。 「今日ちょっといい休日だったな」と感じる。 ここまで含めて、一つの商品になっています。 つまり、1,500円の食事というより、 「1,500円でちょっと気分のいい時間を買っている」 と考えた方が近いと思います。 【写真を撮りたくなること自体が価値になっている】 アサイーボウルの特徴の一つが、とにかく写真との相性がいいことです。 紫色のアサイー。 赤いいちご。 黄色いバナナ。 カラフルなフルーツ。 お店側も器や盛り付け、店内の内装まで含めて設計していることが多い。 スマホを向けるだけで、それなりに写真になります。 これは今の若者向けの商品を考えるうえで、かなり重要です。 昔は 食べておいしい。 使って便利。 というところまでが商品の価値でした。 今はそこに 「人に見せたくなる」 という価値が加わっています。 SNSに投稿するかどうかに関係なく 「写真を撮りたくなる」 という時点で体験の満足度は上がります。 【健康そう、というイメージも商品になっている】 もう一つ面白いのが アサイーボウルには「健康そう」というイメージがあることです。 もちろん、トッピングや量によってカロリーなどは変わります。 ただ、若者が購入するときに細かい栄養成分まで計算しているわけではありません。 フルーツがたくさん乗っている。 アサイーという健康的なイメージがある。 朝や昼に食べても罪悪感が少ない。 この「なんとなく身体に良さそう」という感覚が大きい。 例えば1,500円のスイーツだったら 「ちょっと高いな」と思う人でも アサイーボウルなら「健康にもいいし」と自分の中で理由を作りやすい。 この「自分を納得させられる理由」がある商品は強いと思います。 【高いから売れない、ではない】 企業側は若者向けの商品を考えるとき 「若者はお金を持っていないから、安くしないと売れない」 と考えがちです。 もちろん価格は重要です。 ただ、アサイーボウルを見ていると 若者は高いものを買わないのではなく 「高い理由が分からないもの」にお金を払わない という方が近い気がします。 1,500円でも 友達と楽しめる。 写真が撮れる。 健康的な気分になれる。 自分の好きなトッピングを選べる。 休日っぽい時間を過ごせる。 こうした価値が重なれば、お金を払う。 逆に500円でも 何の体験もなく、何の感情も動かなければ選ばれないこともあります。 【「自分で選ぶ」楽しさもある】 アサイーボウルは、カスタマイズできる店も多くあります。 いちごを追加する。 バナナを増やす。 グラノーラを変える。 はちみつを追加する。 自分好みの一杯を作る。 この体験も、今の若者との相性がいい。 完成されたものを受け取るだけではなく 「自分で選んだ」という感覚があるからです。 推し活でも、シール帳でも、カプセルトイでも同じですが 今の若者は「参加できる余白」があるものを楽しみます。 買って終わりではなく 選ぶ。組み合わせる。撮る。共有する。 商品との接点が多いほど、体験として強くなります。 【アサイーボウルが売っているのは、食べ物だけではない】 若者はなぜ、アサイーボウルに1,500円払うのか。 それは、アサイーそのものに1,500円の価値を感じているから、だけではありません。 かわいい。 おいしい。 健康的な気分になれる。 写真を撮りたくなる。 友達と行きたくなる。 自分好みにできる。 少しだけ特別な休日になる。 こうした小さな価値が重なって、1,500円という価格が成立しています。 ここに、今の若者向けマーケティングのヒントがあると思っています。 商品そのものの機能や価格だけを見るのではなく 「それを買ったあと、どんな気持ちになれるのか」まで設計する。 若者が買っているのは、モノだけではありません。 その商品を選んだことで生まれる、感情や時間まで含めて買っている。 アサイーボウルの人気は、それをかなり分かりやすく見せてくれていると思います。

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